郵便切手類記號規則左ノ通相定ム
第一條
郵便切手類ニ穿孔又ハ打出ヲ施シ使用セムトスル者ハ本規則ノ定ムル所ニ依リ所管一等郵便局ニ左記各號ノ事項ヲ記載シタル申請書ヲ差シ出スへシ
- 申請者ノ住所、氏名及職業
- 使用スへキ局名（郵便物ヲ差入レルへキ郵便函ノ集配受持郵便局及料金納付ノ爲該郵便切手ヲ差出ス郵便、電信、電話局所ヲ謂フ以下單ニ「使用局」ト稱ス）
前項ノ申請書ニハ第四條ニ依リ調製シタル穿孔又ハ打出ノ見本ヲ添付スへシ
第二條
本規則ニヨル穿孔又ハ打出ハ左記各號ノ條件ヲ具備シタルモノニ限ル
- 五字以內ノ文字又ハ簡單ナル模樣ナルコト
- 針孔及び打出ハ可成小ニシテ機械ニ依リ鮮明ニ施シタルモノナルコト
- 字畫等ハ可成簡單ナルコト
- 穿孔又ハ打出ノ爲郵便切手類ノ原形ヲ失ヒ又ハ取扱中之カ毀損ノ虞ナキコト
第三條
第一條第一項第二號ノ使用局二管轄區域以上ニ亙ルトキハ使用局ヲ所管スル各一等郵便局每ニ各別ニ申請書ヲ差シ出スヘシ
第四條
穿孔又ハ打出ノ見本ハ郵便切手（額面ハ適宜トス）ヲ用ヰ實物ヲ以テ穿孔又ハ打出ヲ施シ左記見本票ニ之ヲ貼付シ穿孔又ハ打出ヲ不明ナラシメサル樣申請者ノ印ヲ以テ割印ヲ施スヘシ
前項ノ見本ハ郵便局ノ指示ニ從ヒ必要ノ數量ヲ提出スヘシ
第五條
第一條ノ申請者ハ手數料トシテ一申請每ニ金五圓ヲ納付スヘシ若其ノ承認ヲ與ヘサルトキハ之ヲ還付ス
前項ノ手數料ハ郵便切手ヲ用ヰ申請書ニ之ヲ添付スヘシ
第六條
穿孔又ハ打出ノ承認ヲ受ケタル者同一管轄區內ニ於テ其ノ使用局ヲ擴張セムトスルトキハ豫メ之ヲ所管一等郵便局ニ屆出ツヘシ此ノ場合ニ於テハ第四條ニヨリ穿孔又ハ打出ノ見本ヲ屆書ニ添付スヘシ
第七條
本規則ニ依ル承認ノ效力ハ承認ヲ受ケタル月ヨリ起算シ滿五箇年間トス
第八條
既ニ承認ヲ受ケタル穿孔又ハ打出ノ變更ニ關シテハ總テ新ニ申請スルモノト同一ノ手續ヲ爲スヘシ
第九條
穿孔又ハ打出ノ承認ヲ受ケタル者改氏名又ハ移轉シタルトキハ十日以內ニ其ノ旨所管一等郵便局ニ屆出ツヘシ
第十條
本規則ニ違背シテ使用シタル記號附郵便切手類ハ毀損又ハ汚斑シタルモノトシテ之ヲ取扱フ
第十一條
本規則中一等郵便局ニ關スル事項ハ總テ之ヲ在淸國本邦郵便局（關東都督府管內ヲ除ク）ニ適用ス
在淸國本邦郵便局所在地（關東都督府管內ヲ除ク）ニハ第五條ヲ適用セス
第十二條
本規則ハ明治四十一年十月一日ヨリ之ヲ施行ス